【開催レポート】HIRAKU書店ミニイベント#17「人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか」
【開催レポ:HIRAKU書店ミニイベント#17「人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか」】
2024年7月14日(日)、HIRAKU書店ミニイベント第17弾を開催しました。今回は、ナラティブ(「物語」「話術」「語り」といった意味)に何故私たちは惑わされるのか、という興味深いテーマです。主催してくださったのは、『旅する図書館』のオーナーさんです。ナラティブに関する本にある実例から、ナラティブが持つ力をみんなで考えていきます。
ナラティブには、人を動かす力があるー
というオーナーさんの言葉から始まったこのイベントですが、早速序盤で
「人の脳は論理的にものごとを理解できない」
という衝撃の事実が投下されました。
「晩御飯は何にしようか?」
「この電車に乗り換えた方が早く着くんじゃないか」
「セールになっているし今買わないと売り切れるんじゃないか」
などなど、私たちの脳は、多いときは1日の約3,000回もの選択を迫られているそうです。そして頭が疲れてしまう。だから私たちは、ロジカルな話ではなく、感情に訴えかけるナラティブに動かされます。
そしてそんなナラティブは悪用されることがあります。政治、自分の社会的立場、戦争まで、多岐にわたります。
「〇〇人はこうすべきだ」
「あなたは〇〇なんだからこうしなさい」
などなど、1つの大きなナラティブが自分の中に流れ込んでくると、私たちは何かに縛られ、それを満たせていない自分を否定してしまうことさえあります。そしてナラティブは社会の動きすら変える力があるのです。
しかしそんなナラティブにはいい面もあるとオーナーさん。イノベーションを起こす人は論理的にではなくナラティブで考えており、「空飛ぶ車」はまさしくその例とのこと。あれだけ重い車が空を飛ぶなんて、論理的に考えたら、確かに思いつきません。
参加してくださった皆さんからは、
「確かに、決定する時って論理的というよりは感情的かも。感情に訴えられる方が心が動く」
「世の中で「良いこと」だと思われているものも、「良い」と思うようにナラティブが使われているのかも」
「自分を持っていないと、ナラティブに惑わされちゃうな…」
などなど、オーナーさんが紹介してくださった話を受けて、改めて自分がナラティブに影響を受けていること、そしてナラティブを客観的に見ることの重要性を実感していました。イベント終了後も「もしかして最近よく聞くあれって…」「これ、本当に良いものなの?」とディスカッションが続く盛り上がりようでした!
「自分が信じているものって何なんだろう?」
「それって誰が発したの?」
「どんな意味があるの?」
と当たり前だと思っているものに、今一度クリティカルな目を向けて再考するいい機会になりました。『旅する図書館』さん、参加してくださったみなさん、ありがとうございました!